歯周病は、むし歯と並んで歯を失う原因のひとつです。
歯周病は、歯と歯ぐきの境目や歯根の表面についた歯垢(プラーク)の中の歯周病菌が出す毒素で、歯ぐきが腫れ、またその毒素で歯を支えている顎の骨がとかされていく病気です。
みなさん歳をとると歯が悪くなると思っておられますが、歯周病は老化現象ではありません。長い間不潔な状態で放置したために徐々に進行する感染症なのです。ですから、反対にあきらめる必要はないのです。予防もできますし、重症でないかぎり治療もできます。
歯周病の進行
まず歯ぐきのはれ、出血から始まります。レントゲンでは顎骨の吸収はみとめられません。この時点で治療を始めると顎の骨に炎症が及ぶ前に治療をすることができます。
徹底したプラークコントロールとスケーリング(歯石をとる)でなおります。
歯ぐきの腫れ、出血はもちろんありますが、レントゲンでみると歯を支えている骨の吸収がはじまっています。それにともなって歯と歯ぐきの間の溝の深さが4~5mmになっています。
プラークコントロールとスケーリング、ルートプレーニング(歯と歯ぐきの境目の溝の中の歯根の表面をきれいにする)の治療が必要になります。
軽度歯周病の治療プラス、歯周外科とよばれる簡単な外科手術により、汚染された歯根の表面をきれいにし、顎骨、歯ぐきの整形を行います。
歯を支えている骨が歯根の先まで吸収され、歯がグラグラになってしまいます。残念ながら抜歯以外の治療法はありません。
歯周病チェック
下記ような症状がひとつでもある人は程度の差はあれ、歯周病かもしれません。
出来る限り早めに検査を受けましょう。
治療方法と歯周病対策
ブラッシング
Brushing
歯周病・歯槽膿漏の治療に必要不可欠なのが「ブラッシング」です。誰しも幼い頃からブラッシングを行っているのではないかと思いますが、正しいブラッシングが行われなければ歯槽膿漏を予防することはできません。
また、歯槽膿漏は再発しやすい病気であり、たとえ治療したとしてもブラッシングを怠ると再発する可能性があるのです。
ブラッシングの目的は、歯ぐきを傷つけることなくプラークを除去することにあります。
しかし、正しいブラッシングができなければ効果的なプラーク除去はできません。ここでは、効率良くプラークを除去できる「毛先磨き」をご紹介します。
「毛先磨き」ならば、子どもから老人まで簡単にできることはもちろん、歯並びの悪い人でも効果的なプラーク除去が可能なのです。
スケーリング・ルートプレーニング
Scaling / Root planing
スケーリングとは スケーラと呼ばれる金具を使って、歯肉縁上および歯肉縁下の歯面からプラーク、付着物、および歯石を除去することをいいます。 その時にできるだけ歯質を傷付けない様にします。
ルート(歯根部)プレーニング(平らに)とは、スケーリングによって、歯根表面の歯垢によって汚染・軟化したセメント質や象牙質を除去したあと、歯根面 を硬くなめらかな面に仕上げることをいいます。
ルートプレーニングにより、歯の表面が滑らかになることで、歯根部に歯石がつきにくくなり、虫歯予防になります。